スピリチュアルカウンセリングというと、霊能者によるカウンセリングと捉えられがちです。緩和医療ではスピリチュアルケアを大事にします。今回は、看護師でもある婚活カウンセラーが心理療法としての、スピリチュアルカウンセリングについてお話します。

緩和医療におけるスピリチュアルケアとは

ひまわりブーケのトータルペインの図

看護師を含めた医療者は患者さんをみるときに、全人的痛み(トータルペイン)があると捉え、患者さんの痛みの原因を考え、ケアをします。特に緩和ケアでは、痛みひとつをとっても、どこからその痛みはきているのかを考えます。もちろん、痛み止めで解決する場合は、すぐ対処できるのですが。痛み止めを使っても不安が強ければ、痛みを強く感じてしまうことが明らかになっています。

そのため、痛みのコントロールができない場合、その痛みはどこからきているのかチームで考え、ケアやサポートをします。

身体的苦痛

痛み、体のだるさなどの症状、日常生活の支障など

社会的苦痛

仕事上の問題、経済的な問題、家庭内の問題、人間関係、相続などの問題など

心理的苦痛

不安、おそれ、イライラ、うつ状態、怒り、孤独感など

スピリチュアル・ペイン

魂の痛み、人生の意味、自責の念、死生観、価値観の変化など

婚活におけるスピリチュアルカウンセリングとは

人生には、スピリチュアルペイン(魂の痛み)という自分の力では解決できない悩みがあります。「あの人に愛されないなら、私の人生は終わり」「死にたい」「自分の人生に意味はあるのか」など。簡単には分類されないけれど、そういう深い悩みを抱え、生きている方も多いのではないでしょうか。

人間は病気でなければ、社会的苦痛、心理的苦痛にも適応しながら生きているのですが、魂の次元では、何か不安、このままでいいのか、何か足りない、しっくりこないなど迷いを抱えている方が多いのです。

そのため、婚活がうまくいかなければ、人格を否定された気がしたり、心が疲れてしまい、プライドが傷つき、うつ状態、婚活疲労症候群になってしまう方も少なくありません。うつ病になって、心療内科を受診される方もいます。

スピリチュアルカウンセリングとは、自分のこころの深いところからくる魂のメッセージに耳を傾けていくことを援助するカウンセリングです。本気で生きている人は傷つき、絶望します。そして、心の病気にかかることもあるのです。本気で恋をしたからこそ、失ったときは悩み続けるのです。スピリチュアルカウンセリングは、魂が納得できる生き方、魂の次元の幸福を援助します。

どのような問題も、個人の問題であるとともに、社会全体の問題であることも多いのです。個人を癒すことで、社会も癒したいというのは、誰かの問題が、また誰かの問題であるということです。

人間は本質的にスピリチュアルである

カリフォルニア統合研究所のカートライト教授は、『心理療法とスピリット』の中でそう述べています。スピリチュアルカウンセリングは、すべての出来事には意味があり、気づき、学びの自己成長のプロセスであると考えます。

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